高崎市医師会

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高崎市医師会と胃がん検診

高崎市医師会の胃がん検診への取り組みの変遷

がんは死因の第一位

日本では1981年(昭和56年)以降の死亡総数における死因の第一位は「がん」であり、死亡総数の約30%を占めています。以前、胃がんは首位でしたが、最近では男性は肺がん、女性では大腸がんがトップとなっています。胃がんは、医療の進歩や対がん施策の効果もあって減少傾向にありますが、依然、5位以内にあり、年間約5万人の方が亡くなっています。

高崎市医師会と胃がん検診への取り組み

ペプシノゲン検診の導入

高崎市医師会は、昭和35年より高崎市が群馬県対ガン協会に委託している胃がんバリウム検診に協力しているのですが、昭和63年よりは精密検査という形で参加し、平成元年からは、医師会傘下の高崎・地域医療センターでも一次検診を行うようになりました。
高崎市医師会では、これらの取り組みに加え、高崎市民からの胃がん死を無くすことを目指して、平成8年より40歳以上を対象に、新たなペプシノゲン検診という血液による胃がん検診を導入しました。(平成9年には厚生省に血液による胃がん検診に関する研究班が設置されています。)
ペプシノゲン検査とは、萎縮性胃炎がある人では、かなり高い確率で胃がんが発生するということ、そして、血液中のペプシノゲンから胃の萎縮性変化が推測できるという事を利用した検査です。
1892年米国のサムロフ教授がペプシノゲンと萎縮性胃炎との関係を報告し、その後、日本の三木一正教授(東邦大)が、その測定法の開発、胃がん検診への応用等について集大成しました。
ペプシノゲン(PG)は胃粘膜から分泌され胃液によってペプシンとなり蛋白分解酵素として働きます。PGは約1%が血中に認められるため血液検査によって測定が可能です。
PGはPGⅠとPGⅡに大別されます。PGⅠは主に胃酸を分泌する胃底腺粘膜から分泌され、PGⅡは胃粘膜全域と十二指腸腺から分泌されます。ペプシノゲン検査ではPGⅠ、PGⅡ、そしてこれらのⅠ/Ⅱ比を測定することで胃粘膜の状態を推定します。PGⅠ≦70ng/mlかつPGⅠ/Ⅱ比≦3.0を陽性とします。
この検診の利点は、

  1. 安価であること
  2. 多数の受診者に対応可能であること
  3. 胃がん発見率が高いこと
  4. 放射線の被爆が無い

というような事が上げられます。
ですが問題点もあります。胃がんを直接見つける検査ではないということ、PG値が、腎機能障害・プロトンポンプ阻害剤・胃切除・食事などの種々の因子によって影響をうけるという事です。

胃がんリスク(ABC)検診の導入

ペプシノゲン検診の導入後10年間の成果はバリウム検診と同等のがん発見率(バリウム検診0.16%、PG法0.16%)という結果でしたが高崎市医師会では、更なる検診精度を向上させるため、ペプシノゲン検査にピロリ感染診断を加えた胃がんリスク(ABC)検診を平成18年から新たに導入しました。
この頃には、ピロリ感染は胃がんの発生に深い関係が有る事が解っていました。ピロリ感染は血中の抗体を測定する事で推測します。
胃がんリスク(ABC)検診では、測定したピロリ抗体とPG値を組み合わせて胃がん発生のリスクを段階分けするのです(表1)。
A群は低リスク、C(C+D)群をハイリスク、B群を中間群とし、リスクに応じて検診間隔を設定するという事です。この事は後に胃がんリスク層別化(表2)と呼称されます。
ピロリ除菌を行っている場合はE群として別扱いとなります。
この胃がんリスク(ABC)検診の導入年のがん発見率は0.26%となり、胃がんバリウム検診の全国集計0.15%を大きく上まわりました。この血液を用いた検診でガン一例を発見するための費用はバリウム検診や内視鏡検診の三分の一程度ですので安価ですぐれた検診方法かと思います。私達、高崎市医師会では、この検診方法が死亡率減少効果のある検診と実証するため検証を続けています。

表1

Hピロリ抗体
(-) (+)
PG (-) A群 B群
(+) D群 C群
C群

除菌治療済みの場合:E群

ピロリ検診の導入

高崎市では、平成23年度からは、若年者から早期に胃がんの高リスク者を発見するために20歳(はたちのピロリ検診を導入しました。その後、平成25年2月からは慢性胃炎におけるピロリ除菌が医療保険の対象となったこともあり、対象者を20歳から39歳で、過去に高崎市のピロリ検診を受けて無い者に拡充しました。

胃がん【内視鏡】検診の導入

平成28年9月に出された国の答申を受け、高崎市では、平成29年度より胃がん【内視鏡】検診を住民検診に導入しました。胃内視鏡器具を口あるいは鼻から挿入して胃の中を観察し、必要な時は、胃の一部を取って検査することもあります。内視鏡検査器具はかなりの改良がなされ、内視鏡を呑んだ際のストレスは以前に比べかなり軽減されています。高崎市の胃がん【内視鏡】検診では、独自の取り組みとして、それまでの胃がんリスク(ABC)検診を胃がん【リスク】検診と改称し、内視鏡検診に併用する検診方法としました。内視鏡検診の対象者は40歳、45歳、それと50歳以上は前年度に内視鏡検診を受けてない者という隔年受診となっています。高崎市医師会では内視鏡検査による粘膜診断と胃がん【リスク】検診の結果を併用して胃がんリスクの層別化を図っています。層別化を図ることで、胃がんに対し低リスクと思われる人は受診間隔を長くし、高リスクの人の場合は受診間隔を短くすることで、より効率的な検診になるのではないかと考えています。

表2

胃がんリスク層別化検査管理指針

一般的に早期がんでは殆ど自覚症状がありませんが、進行がんでは胃痛、嘔気、など何らかの胃症状を伴うことが多いので、症状のある人は「検診」ではなく保険証を持って医療機関を受診(診療)してほしいと思います。検診は血液検査にしても、レントゲン検査にしても精密検査ではないので「がん」を100%発見することは不可能であることを心に留めておいて頂きたいと思います。

胃がん【リスク】検診実施医療機関

令和8年7月現在

医療機関名 所在地
1 あいざわクリニック 高崎市江木町175-5
2 相原医院 高崎市下滝町283-3
3 あおい内科クリニック 高崎市八千代町一丁目2-3
4 あら町在宅診療所 高崎市鶴見町7-5ロイヤルコーポ参番館203号室
5 有賀クリニック 高崎市東町80-7
6 いいづか・たきた医院 高崎市沖町203-4
7 稲村クリニック アレルギー・呼吸器内科 高崎市南大類町1241-5
8 乾小児科内科医院 高崎市宮元町207
9 乾内科クリニック 高崎市下小塙町1576-1
10 井上病院 高崎市通町55
11 いわた内科クリニック 高崎市石原町4171
12 いわたバディーズクリニック 高崎市矢中町841
13 うえはらクリニック 高崎市高関町354-1
14 植原整形外科医院 高崎市飯塚町691-19
15 上原内科医院 高崎市中豊岡町125-3
16 うめやま医院 高崎市連雀町133
17 大塚医院 高崎市下小鳥町62-11
18 大原病院 高崎市飯玉町46
19 おかじょうクリニック 高崎市綿貫町1918-7
20 岡村胃腸クリニック 高崎市東町28-1
21 岡本内科クリニック 高崎市上中居町365-2
22 小川クリニック 高崎市矢中町312-9
23 小倉クリニック 高崎市柴崎町60-11
24 貝沢中央医院 高崎市東貝沢町三丁目17-1
25 勝田内科消化器クリニック 高崎市八千代町四丁目6-21
26 上中居ファミリークリニック 高崎市上中居町411
27 神田医院 高崎市片岡町一丁目13-21
28 北高崎クリニック 高崎市大橋町158
29 希望館病院 高崎市江木町1120
30 桐山クリニック 高崎市末広町235-8
31 久保田胃腸科内科クリニック 高崎市寺尾町240
32 くらがのファミリークリニック 高崎市倉賀野町2044-1
33 黒沢病院附属ヘルスパーククリニック 高崎市矢中町188
34 群馬八幡消化器内科クリニック 高崎市八幡町1112-1
35 群馬リウマチクリニック 高崎市井野町1040-1
36 小泉小児科医院 高崎市連雀町127
37 小板橋記念クリニック 高崎市上小塙町1012
38 こすもレディースクリニック 高崎市旭町113-7ハートスクエア長建1F
39 こだまクリニック 高崎市石原町3225
40 小林外科胃腸科医院 高崎市上中居町187-1
41 小林内科胃腸科医院 高崎市井野町649-2
42 五百山クリニック 高崎市乗附町1526-2
43 駒井病院 高崎市矢島町449-2
44 こやぎ内科 高崎市小八木町2031-6
45 近藤医院 高崎市岩鼻町乙324-3
46 櫻井医院 高崎市柴崎町1213-2
47 佐々木医院 高崎市昭和町2
48 佐藤呼吸器科医院 高崎市飯塚町253-1
49 佐藤小児科内科医院 高崎市栄町27-13
50 産科婦人科舘出張佐藤病院 高崎市若松町96
51 サンピエール病院 高崎市上佐野町786-7
52 CBCクリニック 高崎市江木町1718-3
53 静内科 高崎市小八木町799-1
54 清水医院 高崎市新後閑町12-20
55 清水胃腸科内科クリニック 高崎市町屋町627-1
56 清水内科 高崎市飯塚町703
57 下和田クリニック 高崎市下和田町四丁目7-8
58 城南医院 高崎市下和田町三丁目6-17
59 城山クリニック 高崎市城山町二丁目2-8
60 仁静堂医院 高崎市井野町1223
61 整形外科やましな医院 高崎市山名町1548
62 善如寺医院 高崎市倉賀野町453-19
63 相馬クリニック 高崎市下豊岡町142
64 そはら内科 高崎市貝沢町1535-1
65 第一病院 高崎市下小鳥町1277
66 高木医院 高崎市江木町113
67 高崎健康福祉大学附属クリニック 高崎市南大類町200-2
68 高崎中央病院 高崎市高関町498-1
69 高崎西口ごうだ内科 高崎市鶴見町4-2
70 高瀬記念病院 高崎市南大類町885-2
71 たかまえ病院 高崎市中尾町1230
72 武山クリニック 高崎市栄町18-4武山ビル1F
73 橘内科医院 高崎市宮元町273
74 田村産婦人科 高崎市柳川町63
75 土屋内科医院 高崎市問屋町二丁目1-1
76 つつみ内科クリニック 高崎市並榎町54-1
77 通町診療所 高崎市通町143-2
78 豊岡呼吸器科内科クリニック 高崎市上豊岡町1037-1
79 中澤医院 高崎市筑縄町34-9
80 中島クリニック 高崎市末広町85-1
81 中島内科医院 高崎市下佐野町15-1
82 なみえクリニック 高崎市上並榎町417
83 西岡医院 高崎市浜川町1935
84 西村医院 高崎市昭和町142-6
85 庭野クリニック 高崎市上並榎町151-1
86 沼野クリニック 高崎市柳川町15
87 野口病院 高崎市請地町38
88 はぎわら内科医院 高崎市下豊岡町1387-1
89 長谷川内科医院 高崎市貝沢町1142-6
90 花水木内科 高崎市下小鳥町93-10
91 浜尻クリニック 高崎市浜尻町216-5
92 ひぐち内科クリニック 高崎市正観寺町208
93 日高病院 高崎市中尾町886
94 ふじえ内科医院 高崎市上滝町321
95 双葉胃腸内科クリニック 高崎市双葉町9-16
96 ふるた内科脳神経内科クリニック 高崎市上小塙町字東原1061-1
97 細谷クリニック 高崎市沖町155
98 細谷たかさきクリニック 高崎市南大類町888-1
99 ほのぼの診療所 高崎市八千代町一丁目17-15-105
100 堀越医院 高崎市椿町14
101 堀越内科クリニック 高崎市上中居町18
102 堀米医院 高崎市倉賀野町1690
103 真木病院 高崎市筑縄町71-1
104 牧元医院 高崎市芝塚町1845-2
105 真下クリニック 高崎市新保町1103-1
106 松岡医院 高崎市片岡町一丁目17-31
107 松崎医院 高崎市島野町589
108 松本医院 高崎市相生町35
109 水内外科内科医院 高崎市中豊岡町35-1
110 みずの神経内科・内科クリニック 高崎市倉賀野町6442
111 道又内科クリニック 高崎市柴崎町1187-2
112 道又内科東口診療所 高崎市栄町14-5
113 宮下クリニック 高崎市新保町1377-1
114 もてき脳神経外科 高崎市上小塙町567
115 桃ノ木クリニック 高崎市八幡町1067-4
116 森田クリニック 高崎市浜川町278-1
117 森内科クリニック 高崎市楽間町31-3
118 もんでん内科クリニック 高崎市天神町115-1
119 やまなクリニック 高崎市山名町283-1
120 吉川医院 高崎市檜物町149
121 よしだ消化器内科クリニック 高崎市大八木町1797
122 吉田内科 高崎市江木町273-4
123 吉浜内科小児科クリニック 高崎市鶴見町9-3
124 吉村内科医院 高崎市相生町5
125 わかばクリニック 高崎市剣崎町249-5
126 綿貫病院 高崎市末広町41-1
127 国立重度知的障害者総合施設のぞみの園診療所 高崎市寺尾町2120-2