- 市民の為の健康情報 -

新しい胃がん検診の提案

もの忘れ検診のご紹介
 




がん死因のトップは胃がん
 日本人の病気による死因のトップは「がん」ですが、その中でも1位の座を占めている のが胃がんで、毎年約5万人の人が亡くなっています。しかし最近では治療法も発達し 早期に発見すればほぼ 100%助かります。しかもより早期に発見すれば、開腹手術を 受けることなく、内視鏡により治療(粘膜切除術)することができるようになりました。

手軽に受けられる血液検査法
 胃がん検診というとバリウムを飲むレントゲン法(施設で行われる直接撮影や集検車による間接撮影)が一般的ですが最近注目を浴びているのが血液による検査法です。 これは「ペプシノゲン法」といい、血液に含まれているペプシノゲンという物質の量を測ることによって、胃がんの前段階ともいえる「慢性萎縮性胃炎」を診断するものです。 この胃炎の人がすべて「がん」になる訳ではありませんが、この胃炎粘膜を背景としてかなり高い確率で胃がんが発生することがわかっています。新しい血液による検査法は、胃がんそのものを診断するのではなく、胃がんになりやすい人を診断しようというわけです。検査の結果、陽性(慢性萎縮性胃炎)であると診断されたら定期的に精密検査(内視鏡検査)を受ける必要があります。ペプシノゲン陽性の人では100人に1人、陰性の人では1万人に1人が胃がんというデータがあります。この検査の特徴は何といっても非常に手軽に受けられるという点です。レントゲンのように食事の制限もなく、わずかな血液を採るだけで診断が可能なのです。

血液検査の利点と欠点
従来のレントゲン法と較べてみるとまず利点として
1)胃がん発見率が高く、特にがん検診の目的である早期がん(救命胃がん)発見率が高いこと。 レントゲンは影絵(形態)診断ですから大きくなった進行がんを発見するのは得意ですが小さな早期がんの発見は不得意といえます。
2)検査が受けやすく、多数の検診が可能です。
3)レントゲン被ばくなどの問題がなく安全性が高い。 4)費用が安い(レントゲンの1/4〜1/10、現在高崎市では無料)などなどたくさんの利点があります。   一方欠点としては形態診断ではないので進行がんの見落としもありうることがあげられます。   一般的に早期がんでは殆ど自覚症状がありませんが、進行がんでは胃痛、嘔気、など何らかの胃症状を伴うことが多いので、症状のある人は「検診」でなく保険証を持って医療機関へ受診(診療)してほしいと思います。   検診は血液検査にしろ、レントゲン検査にしろ精密検査ではないのでがんを100%発見することは不可能なのです。

高崎市医師会による血液検診の成績
  受診者数 胃がん発見者数
(早期がん)
胃がん発見率(%)
(早期がん)
胃がん1例の
発見費用(円)
(早期がん)
血液法 16,596 37
(26)
0.22
(0.16)
158万
(226万)
レント
ゲン法
7,187 15
(9)
0.20
(0.12)
345万
(576万)
 当医師会では平成8年度から従来のレントゲン検診とは別にみどりの健診の時に得られる血液を用いて希望者に大腸がん検診とセットの形で胃がんの血液検診を行っています。
集計された2年間(平成8年および9年度)の成績を簡単にお知らせしますと表のようになります。これらの数字からもおわかりの様にこれからの胃がん検診は血液検診が主流になってゆくものと思われます。

これからの胃がん検診
 血液による胃がん検診は、1982年アメリカのサムロフ教授がペプシノゲンと萎縮性胃炎の関係を報告、その後日本の三木一正教授(東邦大)が、その測定法の開発、胃がん検診への応用など10年以上の歳月をかけて集大成され現在に至っています。平成9年度から厚生省に血液による胃がん検診に関する研究班(三木班)が設置され、これからの新しい胃がん検診が現在検討されています。高崎市医師会も先進地区としてそのメンバーに加えられ2年間の詳細な成績を報告しました。近い将来日本の胃がん検診はまず血液検査を行い陽性者は内視鏡検査に、陰性者にはレントゲン検査を受けていただく(進行がんの見落としを防ぐため)2段階方式に変わってゆくものと思います。
高崎市医師会ではこの新しい血液による胃がん検診法を全国の市町村にアピール するとともに高崎市民から胃がん死をなくすため、今後とも継続してゆく予定ですので1 人でも多くの市民の方が受診されることを強く希望しております。一緒に行う便の潜血反応による大腸がん検診でも多数の早期大腸がんが発見さ れており、さらに一挙両得です。お待ちしています!

<参考>
Gastro-Health Now「これまでの胃がん検診、これからの胃がん検診」
住民検診においてHelicobacter pylori検査はどのように活用されるか?
 血清H.pylori抗体価、血清ペプシノゲン値同時測定による胃がん検診
 (ABC検診)の試み

  一般社団法人 高崎市医師会
  370-0829 群馬県高崎市高松町5番地28 高崎市総合保健センター内
  TEL:027-323-3966 お問い合わせは高崎市医師会事務局まで
ホームページに関するお問い合わせはこちら:tmainfo@mail.gunma.med.or.jp
  病院案内:027-325-0011
  Copyright(c)2004. Takasaki Medical Association All Rights Reserved.