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もの忘れ検診

講演会一覧

住民検診においてHelicobacter pylori検査はどのように活用されるか?−血清H.pylori抗体価、血清ペプシノゲン値同時測定による胃がん検診(ABC検診)の試み−

ペプシノゲン法による地域住民胃がん検診−「高崎市方式」10年間の検討−

ペプシノゲン法による胃がん検診 ABC検診(胃がんリスク検診)
 



もの忘れ検診に見る初期治療の重要性
はじめに 現在までの経過 検診システム
検診結果 問題点と今後の対策 おわりに


問題点と今後の対策
 ここ二年間に検診を実施してきて、いままでにも報告してきた。いくつかの問題点も出てきたが、ほぼシステムとしては満足のいくものと思われるが、この検診はいまだ完成したものでなく今後も改良も改良を続けていく予定である。       

 1.集団検診方式
 この方法は行政サイドとの関係は大変にうまくいっており、希望する地区も増加してきているがこちらの都合で希望する全ての町村で実施することができないので待ってもらっている状態である。この方式の問題点はMMSEで異常とされた人たちが「かかりつけ医」を受診する率が低いことで、この場合に重要な役目を果たしているのは保健師である。この人達が検診の必要性に理解をもち、熱心に活動してもらうことによって受診率の向上が期待できる。各町村の保健師の人たちは仕事も多く確かに大変忙しいが、この人たちが中心になって動いてもらわないと検診の効果が現れないので平成14年度には集まっていただき検診を理解し、興味をもってもらうための講演会を開催した。

 2.個人検診方式
 受診する人たちの抵抗感は殆ど見られず、鑑別診断施設への紹介や受診も問題はなかった。この方式の問題は「かかりつけ医」の負担である。検診が少数ならばとくに問題にならないが数が増加するに従い一人当たり二次検診を含めると20分ほどかかるために診療にも影響を与える。高崎市の場合、はじめは無料でボランティアとして検診していたが平成15年には5000人を予定しているために検診に際して一人当たりわずかではあるが検診料を支払うことにした。また、検診に当たる医師は呼びかけて希望する医師による手上げ方式とした。理由としては後に述べるように問診表をかなり変えたので熱心に取り組んでいだだける医師を中心にして、今後のことも含めてベストなものを構築していきたいと考えたからである。

 3.問診表 
昨年まで利用していた問診表について、二年間の検診の経験からいくつかの改良すべき点があり、今回から少し変えてある。今までの問診表の結果を(図3)に示す。この中では5.漢字がかけない、が一番多くの人が印をつけていて、以下2.毎日度忘れがある、7.物の名前が出てこない,8.知り合いの人の名前が思い出せない、1.毎日置忘れがあるなどがいずれも50%を超えている。しかし、これらの項目は検診に際して有効な項目とはならず、全く異なった項目が問題となることが判明した。(図4)は痴呆の二次検診に回った人の数を検診全体の数で割った数値、いわゆるオッズ比であるが、図4と全然違っている。14、野菜の名前が十個いえない、6、計算間違いが多い、20、現在の総理大臣の名前を言えない、3、何月何日か分からないなどが多くなり、一方漢字が書けないは1.0であり、この項目は痴呆と関係が少ないと考えられる。これらのことを考慮して今年からは(表5)のように、項目を10とし、この中から3項目以上認められた人たちに二次検診SSMEを実施することにした。同時にいままでの検診は記憶力の検査だけであったが検診をしていく中で記憶力以外の認知能力の低下が見られるのではないか、との意見もあり、このことから「カナひろい試験」や「立方体模写」、「画面による時間経過」なども調査することになった。

4.治療および追跡
この事業の重要な目的のひとつは早期治療であり、さらには疑わしい人たちの経過を追跡することである。昨年からはこの件に関してもやっと着手することができるようになった。しかし、まだ開始してから間の無いために具体的な成果は不明である。数年後には早期治療が文献に書かれているように痴呆において有効であったと報告でくるものと信じている。痴呆の発症を二年でも三年でも遅らせることができれば、医療費の節約は勿論、家族にとっても大変に助けになり、感謝されることは我々開業医として日ごろからの診療でもしばしば経験することである。近年、痴呆に有効とされる薬剤も報告されており、今後この方面の治療において希望が見えてきている。この事業が軌道に乗り群馬県全体に展開することができるようになれば痴呆の早期診断、経過、治療の効果など様々なことが明らかになる可能性があり、我々も期待している。



<図3>


<図4>


<表5>


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