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ペプシノゲン法による地域住民胃がん検診−「高崎市方式」10年間の検討−

ペプシノゲン法による胃がん検診 ABC検診(胃がんリスク検診)
 




要旨・緒言 対象と方法 結果 考察 結語・文献

結果
1.高崎市胃がん検診実施状況(表1)

 X線法検診受診率は平成7年度まで7%台を推移し群馬県内市町村でも最下位であった。さらにPG法検診を導入した8年度は5.7%,9年度5.0%,10年度4.3%と年々減少している。一方PG法受診率は平成8年度11.1%,9年度13.4%,平成10年度14.3%と年々増加し,胃がん検診受診率としては平成8年度16.8%,平成9年度18.5%,平成10年度18.5%を確保できた。 胃がん発見率は表1の如くPG法はX線法と同等かそれ以上で発見者数ではX線法の約2.7倍であった。
表1:高崎市胃がん検診実施状況 平成11年10月4日
年度 対象者数   受診者 (%) 要精検者数 (%) 精検受診者数 (%) がん発見者数 (%)
平成
7年度
66,374 車検診 4,130( 6.2) 498(12.1) 491(98.6) 9(0.22)
施設検診 683( 1.0) 195(28.6) 185(94.9) 2(0.29)
4,813( 7.3) 693(14.4) 676(97.5) 11(0.23)
平成
8年度
67,132 車検診 3,169( 4.7) 365(11.5) 313(85.8) 8(0.25)
施設検診 625( 0.9) 202(32.3) 167(82.7) 1(0.16)
小計 3,794( 5.7) 567(14.9) 480(84.7) 9(0.24)
ペプシノゲン法 7,479(11.1) 1,967(26.3) 1,403(71.3) 18(0.24)
11,273(16.8) 2,534(22.5) 1,883(74.3) 27(0.24)
平成
9年度
67,785 車検診 2,639( 3.9) 330(12.5) 294(89.1) 3(0.11)
施設検診 754( 1.1) 215(28.5) 182(84.7) 3(0.40)
小計 3,393( 5.0) 545(16.1) 476(87.3) 6(0.18)
ペプシノゲン法 9,117(13.4) 2,574(28.2) 1,831(71.1) 19(0.21)
12,510(18.5) 3,119(24.9) 2,307(74.0) 25(0.20)
平成
10年度
67,000 車検診 2,227( 3.3 ) 269(12.1) 240(89.2) 4(0.17)
施設検診 633( 0.9) 181(28.6) 156(86.2) 1(0.16)
小計 2,860( 4.3 ) 450(15.7) 396(88.0) 5(0.17)
ペプシノゲン法 9,548(14.3) 2,300(24.1) 1,731(75.3) 16(0.17)
12,408(18.5) 2,750(22.2) 2,127(77.3) 21(0.17)

2.発見胃がんの対比

表2:発見胃がん治療概要
治療法 X線法n=28 ペプシノゲン法n=48
EMR  3(10.7%) 7(14.6%)
腹腔鏡下手術  1( 3.6%) 1( 2.1%)
手術 23(82.1%) 40(83.3%)
その他  1( 3.6%) 0( 0%)
平成11年10月4日

図1:発見胃がん深達比較


深達度比較ではmがんがX線法35.7%,PG法48.0%であり早期がん率もX線法64.3%,PG法76.0%とPG法でより早期のがんが発見されている。(図1) 組織型別比較では分化型がX線法55.6%,PG法70.6%とPG法に多い結果ながら,低分化型でもPG法で29.4%チェックされている。(図2) 発見胃がんの治療概要では,PG法でより早期の分化型胃がんが多いため,EMR(endoscopic mucosal resection)の適応症例がX線法を上回っている。(表2) その他の項目,発見胃がんの性・年令分布,大きさ,肉眼型,占居部位等については両者に有意の差を認めなかった。(表3)

表3:発見胃がん比較
発見胃がん数
平成11年10月4日
X線法 31症例 32病変
PG法 53症例 55病変

発見胃がんの性・年齢分布
40〜 49才 50〜 59才 60〜 69才 70才 以上 平均 年齢 全体平 均年齢
X線法
(n=31)
男(n=20)
女(n=11)
0
0
0
1
10
8
10
2
67.58±5.11
66.55±5.82
67.58±5.11
PG法
(n=53)
男(n=38)
女(n=15)
2
2
0
2
16
6
20
5
70.08±8.19
65.47±10.10
68.70±8.85

発見胃がん大きさ比較
大きさ 10mm以下 11〜15mm 15〜20mm 21〜30mm 31mm以上
X線法(n=24) 4(16.7%) 2( 8.3%) 2( 8.3%) 6(25.0%) 10(41.7%)
PG法(n=44) 6(13.6%) 6(13.6%) 4( 9.1%) 11(25.0%) 17(38.6%)

発見胃がん占拠部位別比較
占拠部位 CM・AM
X線法(n=28) 4(14.3%) 15(53.6%) 1( 3.5%) 8 (28.6%)
PG法(n=55) 7(12.7%) 26(47.3%) 4( 7.3%) 18 (32.7%)

発見胃がん肉眼型比較
肉眼型 早期陥 凹型 早期 平坦型 早期 隆起型 2’ 3’ その他
X線法(n=28) 12(42.9%) 0(0%) 7(25.0%) 3(10.7%) 6(21.4%) 0(0%)
PG法(n=55) 25(45.5%) 1(1.8%) 16(29.1%) 4(7.3%) 7(12.7%) 2(3.6%)

3.両法の費用効率

 胃がん一例の発見費用はX線法367万円,PG法164万円,早期胃がんについてみるとX線法565万円,PG法223万円でいずれもX線法はPG法の2倍以上を要している。(表4) 注目すべきは直接法で発見された5例(いずれも早期がん)のうち3例は異所チェックであり間接法も含めてX線法の異所チェック率を差し引くと実際の格差は更に拡がるものと考えられる。
表4:3年間の高崎市胃がん検診における胃がん発見費用の比較 平成8〜10年度
一次検診 受診者数 一次検診 費用(円) 二次検診 (内視鏡) 受診者数 二次検診 費用(円) (生検を除く) 総検診 費用(円) (生検を除く) 胃がん 発見者数 (早期がん) 胃がん発 見率(%) (早期がん) 胃がん1例 の発見費用(円) (早期がん)
PG法 26,144 2,232万 4,965 6,455万 8,687万 53(39) 0.20(0.15) 164万(223万)


間接撮影 8,035 3,307万 847 1,101万 4,408万 15(8) 0.19(0.10) 294万(551万)
直接撮影 2,012 2.276万 505 658万 2,934万 5(5) 0.25(0.25) 587万(587万)
X線総計 10,047 5,585万 1,352 1,759万 7,342万 20(13) 0.20(0.13) 367万(565万)

大腸がん検診実施状況(表5)

 我々のPG法検診は費用捻出の関係から大腸がん検診とセットにした形で行われているが,結果的には大腸がん検診にも好成績をもたらした。その受診率は平成7年度の2.0%から我々医師会に全面委託された平成8年度11.7%,平成9年度13.6%,平成10年度13.5%と6倍増しがん発見者数も6倍増した。
表5:高崎市大腸がん検診実施状況 平成11年6月1日現在
年度 対象者数 受診者数 (%) 要精検者数 (%) 精検受診者数 (%) がん発見者数 (%)
平成6年度 71,039 1,552 ( 1.1) 117 (7.5) 93 (79.5) 1 (0.06)
平成7年度 79,462 1,574 ( 2.0) 90 (5.7) 81 (90.0) 5 (0.32)
平成8年度 80,369 9,386 (11.7) 446 (4.5) 248 (58.2) 32 (0.34)
平成9年度 81,151 11,071 (13.6) 403 (3.6) 259 (64.2) 31 (0.28)
平成10年度 81,000 11,094 (13.5) 462 (4.2) 325 (70.3) 31 (0.28)

平成8・9・10年度大腸がん検診結果 平成11年6月1日現在
    発見者数 精検受診者対比
平成8年度 大腸がん 32(34病変) 12.9%
大腸ポリープ 81 32.7%
平成9年度 大腸がん 31(34病変) 12.0%
大腸ポリープ 88 34.0%
平成10年度 大腸がん 31(32病変) 9.5%
大腸ポリープ 104 32.0%


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