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ペプシノゲン法による地域住民胃がん検診−「高崎市方式」10年間の検討−

ペプシノゲン法による胃がん検診 ABC検診(胃がんリスク検診)
 



ペプシノゲン法による地域住民胃がん検診−「高崎市方式」10年間の検討−
消化器健診Newsletter: No.78,2007
はじめに 対象と方法 結果 考察とPG法胃がん検診のまとめ


結果

1.胃がん検診実施状況

 PG法採用前の平成7年度と採用時の平成8年度また10年経過後の平成17年度の胃がん検診実施状況を表1に示す。平成7年度までは受診者5,000名前後,受診率で7%前後であった。平成8年度には受診者は1万名を超え率も16.9%,平成17年度では受診者17,000名を超え,率も24%を超えた。受診者数の変移を図1に示す。PG法受診者は増えているがX線法受診者は漸減している。

2.胃がん発見率,発見数

 胃がん検診実施状況の10年間の合計を表2に示す。胃がん発見率は間接X線法0.15%,直接X線法0.18%,PG法0.15%でありPG法はX線法胃がん検診と同等のがん発見率であった。ここで注目していただきたいのは胃がん発見数である。X線法は間接・直説法加えても48名(X線法受診者合計30,597名)であったのに対しPG法では約3.6倍の173名(PG法受診者合計112,235名)の胃がんを発見することができた。受診者数を増やすことが検診事業にとっていかに重要な事項であるかの証明である。

3.PG法の検討

 PG法受診者数を図2に示す。男性は年令階層がます毎に受診者は増え女性は60歳代でピークがある。各年令階層とも女性の方が多かった。

 PG法要精検者数を図3に示す。受診者数の影響で各年令階層とも女性が多く年令が進むにつれ要精検者数も増えている。図4ではPG法要精検率を示す。40歳代を除く各年齢階層で男性の要精検率が多く,男女とも年令が進むにつれ要精検率が高くなっている。

4.発見胃がんの検討

 PG法発見胃がん数を図5に示す。50歳代までは女性が多く60歳代からは男性が女性の約2倍発見されていた。男女とも年令が進むと発見胃がん数も増加していた。

 発見胃がんの深達度比較を図6に示す。PG法発見胃がんはmがんが過半数でありsmがんまでのいわゆる早期胃がんが4分の3以上であった。

 発見胃がんの組織別比較を図7に示す。PG法の方が分化型がんが多い傾向があった。

5.胃がん発見費用

 胃がん発見費用の比較を表3に示す。PG法が最も低く2番目の間接X法の1/2以下であり,直接X線法の1/4以下であった。費用の算出基準は表3の右下に記述した。またPG測定費用は実費とした。

6.大腸がんの検討

 「高崎方式」はPG法検診を大腸がん検診とセットにし実施することが特長である。表4に高崎方式導入前の平成7年度と平成13年度から17年度の5年間の大腸がん検診実施状況を示す。平成7年度までは高崎市の大腸がん検診は全て行政任せで検体提出機関も一か所であった。平成8年度からは高崎市医師会会員の全ての医療機関が窓口となり個別に提出することができるようにした。平成6から17年度までの大腸がん検診受診者数の変移を図8に示す。平成8年度から飛躍的に受診者が増え平成17年度には受診者16,000名を超え,受診率も22%になった(図9)。また受診者数の増加に伴い発見がんの急増し(図10)平成17年度には73名となり平成8から17年度までの10年間では403名に大腸がんが発見された。「高崎方式」の利点であった。

7.医師会員,市民への啓蒙

 PG法検診は新しい方法ゆえ混乱も予想されたが医師会員にPGに関する知識を徹底(医師会新聞,インターネット,イントラネット等あらゆる媒体を使用)し受診者へのインフォームドコンセント十分に行っていること(必要ならパンフレットを配布)で未だ混乱の事例はない。また高崎市医師会では会員の福利厚生の意味で血液による検診を年に一度施行している。この項目の中にPG値とHP抗体価を加え自分自身の胃の状態に関心を持っていただいている。

 市民へは高崎市医師会のホームページを公開しており,ここにPG法による胃がん検診の説明をのせている。さらに詳しく知りたい方にはPG方に関する原著論文も読めるようになっている。10年を経て高崎市民にPG法による胃がん検診が定着したように思われる。


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